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名字を名乗るのはいつから始まった?名字の決め方についても解説!

 

私たち一般市民が名字を使い始めたのは、明治時代になってからです。
実は鎌倉時代以降、名字を持ってはいましたが名乗ることが許されていませんでした。

それが明治維新後になって、やっと平民も名字を名乗ることが許されたのです。
というか、名字を名乗ることが義務付けらました。
禁止されていたのが、今度は義務に……。

この記事では名字を名乗るようになった経緯や、名字をどのようにして決めたかなどについてもご紹介しています。
よかったら参考にしてみてくださいね。

[もくじ]

 

名字を名乗り始めたのはいつから?

 

多くの平民が名字を名乗り始めたのは、1875年(明治8年)からです。
この年の2月に「平民苗字必称義務令(へいみんみょうじひっしょうぎむれい)」が公布されたことがきっかけです。

元々日本では鎌倉時代より、平民も名字を持っていました。
しかし江戸時代、それを名乗るのが許されたのは武士や公家の特権階級のみ。
一部平民でも名字を名乗ることはできましたが、それは特別に許可された場合だったそうです。

今から考えると全く想像つきませんが、江戸時代と言えば階級制度が厳しい時代だったと聞きます。
名字を名乗れることは一種のステータスだったのかもしれませんね。

ときは過ぎ明治維新が起こり、明治時代が始まります。
明治ではいろんな改革が進められ、その1つが日本ではじめて本格的な戸籍作りが始まった明治5年の「壬申戸籍(じんしんこせき)」です。

そして明治8年になると平民苗字必称義務令が公布されるのです。
これまで名字を名乗ることが許されなかった平民も、今度は名字を名乗らなければならない、という義務に変わったタイミングでした。

名字を持っていない人はどうやって決めたの?

名字の決め方は、だいたいこの4つの方法で決めたと言われています。

  1. 地元の名主、庄屋(現在の村長のような存在)、寺の住職など身近な権力者に名字を決めてもらった
  2. 名乗ることが許されていなかった先祖代々の名字をそのまま使った
  3. 江戸時代に名乗ることが許されていた名字をそのまま使った
  4. 自分で考えて名字を決めた

1については聞いたことがある方もいるかも知れませんね。
しかし実際はそんなに多くはなかったそうです。
最も多かったのは2の先祖代々の名字を使うパターンです。

長く名字を使うことができない状態でしたので、

  • 遺言書や家系図に書き残す
  • 名前の一部に名字の一文字を使う

などして忘れられないように工夫をしていた家もあったようですね。

また4の自分で考えたパターンの有名なエビソードとしては、与謝野晶子の夫である与謝野鉄幹の家の話があります。
実は与謝野鉄幹の家は元々、細見という名字を持っていました。
しかし鉄幹の父である礼厳は、平民苗字必称義務令の機会に故郷の与謝郡からとった「与謝野」という名字を創作したそうです。

自分で名字を創り出すって、少し不思議な感じがしますね。
もし現代でこのようなことがあれば、マンガやアニメのキャラクターの名字を付ける人が多そうです(笑)。